株主価値創造:私の見取り図
皆さんは、株主は立場が強いと思いますか?それとも弱いと思いますか?私の意見は、「リスク資本の提供者であり、資本の運用を委託している立場を考えると強いとは言えない。だから、投資先企業とその経営者についてよく理解した上で、株主価値創造がなされているかをモニターしていく必要がある」というものです。以下では、なぜ株主価値創造なのか?(私の問題意識)、その後株主価値創造を構成する要素(私の見取り図)についてお話したいと思います。
1.なぜ株主価値創造なのか:私の問題意識
下記の図は、株主の目線で見た企業活動についての私個人のイメージです。

お金を調達して事業に投資して、儲かった手元資金を再投資する。この中で最も立場が強いのは、会社内部の情報をよく知る経営者だと思います。その一方で、経営者と株主の利害は必ずしも一致しません。例えば、経営者には、不当に高い報酬を自分に支払ったり、自らの名声を高めるために、採算性の低い事業にまで投資して事業規模を拡大したりする誘惑があります。しかも、株主と経営者では情報格差があり、株主が経営者の行動をチェックできる範囲には限界があります。こうしたことからも、株主は経営者に比べて必ずしも強い立場にあるわけではないことがわかります。
また、株主は成長の果実を得られる反面、会社が破綻した場合などには、資金を回収できる順位が債権者などに比べて劣後するという立場でもあります。
だから、投資先企業とその経営者についてよく理解した上で、株主価値創造がなされているかをモニターしていく必要があるというのが私の意見です。
2.株主価値創造:私の見取り図
投資先企業と経営者を理解するという点は直観的に分かると思うのですが、株主価値創造がなされているかは何をみたらいいのでしょうか。私は、下記の図の通りに整理しています。

競争戦略によって価値を生み出せる事業をつくり、その経済性を(ROICや成長率等を用いた)価値創造原理で捉え、資本配分によってその価値創造を持続・拡大する。それら全体が資本サイクルという外部環境の中にある。こうした要素が整ってはじめて株主価値が創造される。さらには、そうした文脈の中で、測定・評価の手法として、財務分析、企業価値評価、及び株価分析が必要となるというのが私の整理です。
競争戦略、価値創造、資本配分、資本サイクルといった個々の要素については、また別途今後の記事で書きたいと思います。