掲題のThe Economistの記事が興味深かったので、議論の骨格と雑感を書いてみました。

1.議論の骨格

・ケビン・ウォーシュFRB議長は、9月FOMCで利上げをすべき。

・理由は下記の通り。
-インフレ率がFRBの目標である2%を超えている。
-雇用も堅調であること。経済成長は健全で、失業率は4.1%で、求人もわずかに増加。
-金融環境も、減速よりも過熱のリスクが大きい。

・上記状況にもかかわらず、トランプ大統領の利下げ要求に屈して政策金利を据え置くことは、中央銀行の信認低下を招く。

・中央銀行の独立性の観点からすると、トランプ大統領が利下げを求めるほど、利上げの根拠は強くなる。

2.雑感

The Economistは、中央銀行の独立性をよりどころとした議論を展開しており、これ自体は金融政策を考える上でオーソドックスなスタンスだと思います。その一方で、アメリカの財政状況も無視できない要素なのではないかと思いました。

11月の中間選挙目線のトランプ大統領とはまた違った理由で、ベッセント財務長官も利上げについては独自の見解をもっているのではないでしょうか。利上げは長期金利の上昇要因になり得ますが、適切な利上げが結果的に長期金利を下げる方向に働くという主張もあります。そのため、ベッセント財務長官が実際にどのような考えを持っているかまでは、もちろんわかりません。

ただ、少なくとも9月FOMCでは、就任以来インフレ抑制を前面に押し出しているウォーシュ議長の信認が問われるのだろうとは思いました。

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ダブルデッカー
ファイナンス修士/FP。自分自身の学びを深める場として運営している趣味のサイトです。勉強会で発表するイメージで、広く金融や経済を考える記事を発信しています。本業は、リタイアメントプランニングを専門とするFPです。なお、「FP事務所サイト」では、50代からの金融リテラシーに特化した記事も発信しています。