ここでは、投資において行うべきリスク管理についてお話ししたいと思います。よく「投資にリスクはつきものである」とか「投資にあたってはリスクを考える必要がある」といった言葉を聞かれると思います。以下では、そうしたリスクを管理するための考え方を説明しています。
私は、投資をする際のリスク管理で重要なポイントは下記3点ではないかと考えています。
①投資は余剰資金で行う
②理解した上でリスクをとる
③予想される最大損失額を自分が許容できる範囲に収める
①投資は余剰資金で行う
当たり前ではないかと思われるかもしれませんが、余剰資金で投資を行うことがリスク管理の出発点だと思います。生活資金と投資資金がしっかり分かれていることで初めてリスクをとることが可能になると思います。損失が発生した場合に現在の生活へ直ちに影響が及ばないようにするだけでなく、損失を回避することにもつながると思います。例えば、余剰資金であれば、株式市場が暴落しインデックスファンドの下落が起こった場合でも、株価が戻るのを待つという対応がとれます。すなわち、時間的な余裕がある期限が切られていないお金だからこそリスクを吸収することが可能になると思います。
②理解した上でリスクをとる
これも当然のお話ではありますが、どういうシナリオが実現すれば利益が得られて、どういうシナリオが実現すれば損失が発生するかを自分なりに理解することが重要だと思います。そもそもどういう場合に損失が発生するのかがわからなければ、リスクをとるという意思決定自体ができません。また、自分なりに調べて納得した見通しを持っていなければ、継続的にリスクをとることが難しくなり、利益が実現するまで待てずに投資をやめてしまうことにもつながりかねないと思います。インデックスファンドのようなものであっても、どういう理屈で株価が上下するのかはおさえておく必要があると思います。
③予想される最大損失額を自分が許容できる範囲に収める
投資の本質は、利益を得るために損失の可能性を受け入れることだと思いますが、大きな利益には大きな損失の可能性がつきものになります。そのため、この損失の最大値を自分が受け入れることができる範囲にとどめておくことが大切になると思います。すなわち、自分が許容できる損失の限度額を把握した上で、予想される最大損失額をその範囲に収めることによって、投資の不確実性に対応していくという考え方です。
上記の余剰資金、リスク自体の理解、リスク許容度はいずれも基本的かつ重要なポイントであり、投資の不確実性を人生設計に組み込むにあたって非常に有益ではないかと思います。