インデックス投資の最大の論点は、「どのインデックスに連動するものを選ぶか?」ということだと思います。
ここでは、まずインデックス投資の背景にある考え方をおさらいした上で、主要なテーマといえる「全世界株式か?全米株式か?」について考えたいと思います。
1.背景にある考え方
インデックス投資の背景にある考え方を一言でいうと、「市場全体をまるごと長期で保有することで、市場平均のリターンを獲得し続けよう」ということになると思います。
さらに言うと、「機関投資家といったプロと同じ土俵にあがって、銘柄や売買タイミングを適切に選択し、市場平均以上のパフォーマンスを出す」という”できないこと”はせずに、「市場全体をまるごと長期保有して、継続的に市場平均のリターンを得る」という”できること”を通じて資産形成を行うことが、その意図するところになります。ここからもわかる様に、インデックス投資を行う上で長期保有は非常に重要な要件になります。
ただ、この”できること”というのが簡単そうで案外難しかったりします。長期保有をしているとその間に暴落も経験したりしますので、自分でいろいろ考えてみて納得した上で選ぶというプロセスを経ておくことが欠かせないと思います。
そのような観点から、インデックスファンドの選択については、(当たり前のお話ですが、)「自分の考えにあったものを選ぶ」ということがとても大事だと思います。
2.全世界株式か?全米株式か?
「全世界株式か?全米株式か?」の選択ですが、これについては「デフォルトは全世界株式。必要に応じて、そこからカスタマイズする」という検討の仕方が良いのではないかと思います。
その理由は、「まず最初に最も広くリスク分散が効いた状態を考えて、その後で特定地域に集中投資をしてリスクをとるかどうかを考える」のが、話を整理しやすいと思うからです。例えば、「歴史を振り返ると、覇権国はオランダ→イギリス→アメリカのように移り変わっており、特定の国が永遠に繁栄し続けることはないので、集中投資はしない」と考えるなら、全世界株式のままということになります。それに対して、「アメリカ企業の繁栄は少なくとも10~20年間は続くと考えられるから、当面はリスクをとって最もパフォーマンスがあがるであろうアメリカに集中投資をしよう」と考えるなら、全米株式に変更するということになります。
繰り返しになりますが、基準は全世界株式に置いて、確信を持てる場合のみ全米株式に集中投資というのが無理のないスタンスではないかと思います。ただ、いずれの場合であっても、「自分で考えてしっくりくる方を選ぶ」ということが大切だと思いますし、そうすることで長期保有が可能になり、その結果市場平均のリターンを長い期間にわたって享受できるのではないかと思います。